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すうっと口の中で溶ける特別な砂糖菓子は、アギラカリサ王国でしか採れない特別な砂糖から作られている。
「美味しい……」
甘くて幸せすぎて、また涙がこぼれた。
「おい? うまいんだろう? それなのに、なぜ泣く?」
――ルナリアの未来を考えたら泣けてきてしまう。
いずれ、二人の態度は冷たくなって、私を殺したいほど嫌いになるんだから!
でも、そんなこと言えるわけない。
「年下の扱いは難しいな。もう菓子では誤魔化されないか」
「レジェスは末っ子だからね」
「そういうフリアンは公爵家の一人息子だろう?」
「僕は二人が生まれた時からの付き合いだし、兄みたいなものだよ」
フリアンはセレステとルナリアを実の妹のように可愛がってくれている。
でも、私はオマケで、なにをするにしても中心はいつもセレステ。
フリアンだけではなく、両親も周囲もそう。
ルナリアはセレステを羨ましいと思いながら、明るく眩しい世界を眺めている――それが、二番目のルナリアに用意されたポジションだ。
「セレステはどこだ?」
「さあ? 王宮内の図書館で待っててくれと言われたから、ここへ来たけどいないね」
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