16 いつか言えたら

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「そうだろうな」    ――えっ!? 私が巫女に会いたがってるってわかってた?    動揺する私を見て、レジェスはため息をついた。  手を伸ばし、私の体を抱き上げると、私とレジェスは同じ目線の高さになった。  すべてを見通すかのような紫色の瞳にまっすぐ見つめられる。  胸がドキドキして、冷や汗が吹き出した。  「ルナリアは好奇心旺盛だ。巫女の話を知っていて、会いに行こうとするだろうと思っていた」  レジェスの中の私の印象は、とてもお転婆でヤンチャらしい。  最初から部屋を抜け出すかもしれないと警戒していたようで、まさにドンピシャだったわけだけど、なんだか不満だ。 「ご、ごめんなさい……」 「俺が来なかったらどうするつもりだったんだ? この先の警備を任されてるのは、父上直属の腕利きの者ばかりだ」  レジェスが来なかったらどうなっていたかわからない。  ルオンがどれだけ強いかわからないけど、彼も捕まっていただろう。  でも、ほっとするのはまだ早い。  レジェスの表情は険しかった。 「俺はお前が好奇心だけで、巫女に会いに行くような子供ではないと思っている」 「レジェス様……」
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