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「そうだろうな」
――えっ!? 私が巫女に会いたがってるってわかってた?
動揺する私を見て、レジェスはため息をついた。
手を伸ばし、私の体を抱き上げると、私とレジェスは同じ目線の高さになった。
すべてを見通すかのような紫色の瞳にまっすぐ見つめられる。
胸がドキドキして、冷や汗が吹き出した。
「ルナリアは好奇心旺盛だ。巫女の話を知っていて、会いに行こうとするだろうと思っていた」
レジェスの中の私の印象は、とてもお転婆でヤンチャらしい。
最初から部屋を抜け出すかもしれないと警戒していたようで、まさにドンピシャだったわけだけど、なんだか不満だ。
「ご、ごめんなさい……」
「俺が来なかったらどうするつもりだったんだ? この先の警備を任されてるのは、父上直属の腕利きの者ばかりだ」
レジェスが来なかったらどうなっていたかわからない。
ルオンがどれだけ強いかわからないけど、彼も捕まっていただろう。
でも、ほっとするのはまだ早い。
レジェスの表情は険しかった。
「俺はお前が好奇心だけで、巫女に会いに行くような子供ではないと思っている」
「レジェス様……」
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