16 いつか言えたら

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 あの時のレジェスは暗殺者たちを的確に射貫き、少しの迷いもなかったのを思い出す。  それに、レジェスの従者たちは慌てていなかった。  絶対に負けないとわかるから、誰も手を出さなかったのだ。  ――(レジェス)。  レジェスこそが、本物の王だ。   「秘密だぞ。これは俺が信頼できる者しか知らない俺の切り札だ」 「はい」  レジェスにとって、私は信頼できる人間だと言われたのと同じ。  力強くうなずくと、レジェスは笑った。 「ルナリア。わかったなら、安心してフリアンの元へ行け!」  レジェスが剣を抜き、飛び出した。  敵が弓を構えた。  ――わかったけど、私はレジェスを助けたい!  私の剣の腕は、普通の子供程度で役に立たないけど、知恵だけは大人と変わらない。  ――私にできることを!  地面に落ちていた石を手にすると、その石でランプを破壊する。 「ルナリア!? 逃げろと……」  大きな音をたて、ランプのガラスが割れて中の火が消える。  敵はレジェスの剣に押されていて、いつでも殺せる私は後回しでいいと判断したのか、無視された。  ターゲットはあくまでレジェス。
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