16 いつか言えたら

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 私はその隙に小さな体を生かして、すばしっこく木々と草の隙間に滑り込み、ランプを破壊していく。  気づけば、庭は暗闇となり。闇はレジェスの姿を隠した。   「ルナリア、よくやった!」    闇の中でも視力を失わないレジェス。  剣が閃き、暗殺者たちが次々と倒され。あっという間に形勢は逆転した。  ――強い。レジェスは夜の女神だけじゃなく、戦いの神にも愛されていると思う。  絶対的な強さと圧倒的な力の差で、敵をものともしない。 「レジェス様! 増援が!」 「どうやら、兄上たちは本気で俺を殺すつもりらしいな」  敵の数は増えるいっぽうで減る様子がない。  レジェスの三人の兄たちは焦っている。  王になるのがレジェスだと思っている証拠だ。  私になにかできたらいいのに、逃げて隠れるしかない自分がもどかしい。  ――そうだわ。フリアンを呼べばなんとかなる!  レジェスと同等の剣の腕を持つフリアンなら、レジェスを助けられる。  そう思って、草の茂みから顔を出すと、そこには人がいた。 「ルナリア。悪い子だね」  「フリアン様!」 「僕たちが眠るのを待って抜け出すなんてよくないよ」  
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