16 いつか言えたら

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 フリアンは戦いになると予想していたのか、手には剣があった。  レジェスの剣とは違う細いタイプの剣を抜く。  鋭く早い剣がフリアンの持ち味で、レジェスより軽い剣を使っている。  レジェスだけだと油断していた暗殺者たちは、フリアンを見て動揺するのがわかった。 「レジェスが見てくると言ったから任せたけど、戻ってくるのが遅いから、なにをしているのかと思ったよ……」  フリアンはため息をついた。 「君の周りはいつも騒がしいね」  こんな時でもフリアンは優雅だった。 「人を集めると言ってくれ」 「集めなくていい人間を集めてどうするんだよ」 「おい、フリアン。俺は遊んでいるわけじゃないぞ。加勢しろ!」 「わかってる」  レジェスと対等な剣の腕を持つと言われていたフリアン。  そして、私の剣の先生でもある。  だから、その強さを私は知っている。  フリアンが剣を抜けば、レジェスの優勢は確実だ。  地面に次々と敵が倒れていく。 「おい、お前ら。全滅したくないのであれば逃げろ。ただし、逃げても兄上のところには戻るな。殺されるぞ」
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