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フリアンは戦いになると予想していたのか、手には剣があった。
レジェスの剣とは違う細いタイプの剣を抜く。
鋭く早い剣がフリアンの持ち味で、レジェスより軽い剣を使っている。
レジェスだけだと油断していた暗殺者たちは、フリアンを見て動揺するのがわかった。
「レジェスが見てくると言ったから任せたけど、戻ってくるのが遅いから、なにをしているのかと思ったよ……」
フリアンはため息をついた。
「君の周りはいつも騒がしいね」
こんな時でもフリアンは優雅だった。
「人を集めると言ってくれ」
「集めなくていい人間を集めてどうするんだよ」
「おい、フリアン。俺は遊んでいるわけじゃないぞ。加勢しろ!」
「わかってる」
レジェスと対等な剣の腕を持つと言われていたフリアン。
そして、私の剣の先生でもある。
だから、その強さを私は知っている。
フリアンが剣を抜けば、レジェスの優勢は確実だ。
地面に次々と敵が倒れていく。
「おい、お前ら。全滅したくないのであれば逃げろ。ただし、逃げても兄上のところには戻るな。殺されるぞ」
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