16 いつか言えたら

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 レジェスも一緒に部屋に戻るのだろうと思ったら、私たちを眺めてなにも言わず、黙って剣を鞘に戻した。 「あの……。レジェス様も一緒に部屋へ戻りましょう?」  私が声をかけると、レジェスは少しだけ微笑んだ。   「俺は血を落としてから戻る。さすがにこの格好で明るい場所には戻れない」     返り血に濡れた顔と手、服は暗闇ではわかりづらいけれど、明るいところで見ると、凄まじい姿だと思う。 「お前が血で汚れる。フリアンと先に戻っていろ」  フリアンに手を引かれ、その場を後にした。  部屋までの道は、すごく遠く感じた。  フリアンがずっと無言で、怒っているのがわかったからだ。 「フリアン様……。私にすごく怒ってますか?」 「ルナリアじゃなくて僕自身に怒ってる。レジェスが迎えに行くのを止めずに、一人で行かせたことを後悔してた」  責任感が強くてまじめなフリアンは不安なのか、私の手を強く握った。  なにかあれば、責められるのはフリアンだ。 「私、もっと強くなって心配かけないようにします」 「どれだけ強くなっても心配だよ。ルナリアは僕の大事な……」
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