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――私のためのドレス。
やっぱり新しいドレスは嬉しかった。
「ルナリア様。とても素敵なドレスですね」
ティアが私に微笑んだ。
「うん……。私のことを考えて選んでくれたドレスは、なんだか特別な気持ちになるわ」
全体的に優しい色味のピンク色でグラデーションになっている。
白に近い自然なピンク色は、まるで薔薇の花をイメージしたようなドレスだった。
髪につけるのは薔薇の髪飾りで、花弁が多くてとても可愛らしい。
「わぁ……!」
オルテンシア王国ではピンクや明るい色のドレスを着せてもらえない。
それは、セレステが着る色と決められていて、薔薇の花もセレステが大好きだという理由で、私には使わせてもらえなかった。
――おさがりじゃないドレスは久しぶりだわ。
侍女もそれがわかるから、あんなに喜んでいたのだ。
ドレスを着て、鏡の前でくるくる回ってみる。
気づくと、部屋の前にレジェスがやってきて、ドアの前で笑っていた。
「レジェス様!」
「よく似合っている。気に入ったようだな」
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