17 初めてのエスコート

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 パーティーだからか、レジェスは正装をしており、髪に模様入りの布を巻いてアクセサリーはいつもより多めにつけている。   「レジェス様、素敵なドレスをありがとうございました」 「今日のパーティーは、ルナリアにとって、アギラカリサ社交界にデビューする大切な日だ。古いドレスというのもな」 「社交界デビュー……」  小説『二番目の姫』でルナリアの社交界デビューは十六歳と決まっていた。  そして、それはフリアンとの婚約発表の場でもあった。 「ルナリア?」 「あ、いえっ! 私が社交界にデビューするのは、もっと先だと思っていましたから……」  少しでも変化があればいい。私の行動で未来を変えられると信じたい。 「こんな綺麗なドレスを贈っていただけて、とても嬉しいです」  明るく言った私に、レジェスは紫色の瞳を細め、微笑んだ。 「それでエスコートだが――」 「エスコートは僕がする」  レジェスの言葉を遮って、現れたのはフリアンだった。  フリアンは白の上着に銀糸と銀のボタン、白の手袋をはめ、まさに王子様。  ――うっ! 眩しい! これはアギラカリサの令嬢が放っておかないと思うわ。
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