1218人が本棚に入れています
本棚に追加
これが王子様のような容姿という設定の力!
物語の力の恐ろしさを思いしらされるわ……
「おい、フリアン。今のお前は護衛騎士だろ?」
「もうレジェスの兄上たちに正体がバレてる。だから、僕でもいいはずだよ」
珍しくレジェスがムッとしているだけでなく、フリアンもどこかトゲトゲしい。
――この二人もこんな子供みたいにケンカすることがあるのね。
そう思って笑っていると、二人の視線は私に注がれた。
「え?」
無言で二人は私に圧をかけている。
これってつまり――
『どちらにエスコートされたい?』
――私に選べってこと!?
こんな乙女ゲームのような展開が訪れるとは思わなかった。
小説『二番目の姫』において、ルナリアの社交界デビューといえば、みんなの前で派手に婚約宣言をして、すぐに婚約破棄される流れ。
そして、そこからの暗殺疑惑で牢屋にポイッである。
そして、闇の力の解放で死……こんなドキドキイベントなんか用意されてないはずだった。
「あ、あの、その……」
――どっちを選んでもカドが立つでしょ!?
最初のコメントを投稿しよう!