17 初めてのエスコート

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 時系列でいうと、セレステが光の巫女になった後だったはず。  レジェスとセレステの婚約が成立しなかったら、物語はどうなるんだろうか。  もしかして、私が牢屋に放り込まれないで済む? 「ルナリア。また浮かない顔をしてどうした?」  「う、ううん! 少し緊張していて……」 「大丈夫だよ。ルナリア。僕がいるからね」  動揺している私にフリアンが微笑んだ。 「うん。ありがとう……」   ぎゅっとドレスを握りしめた。    ――これではっきりしたわ。物語は変えられる!  主要な登場人物は、本来のストーリーをなぞるように動くと思っていたけど、そうじゃないとわかった。  レジェスがはっきりセレステとの婚約を拒否したということは、私の行動ひとつで登場人物に対しても変えていけるということだ。  ――必ず、マーレア諸島との取引を成功させなくちゃ。  これは、ひとつの大きな分岐点だ。  オルテンシア王国の二番目の姫ではなく、ルナリアとして認めてもらう。  そのために、私はアギラカリサ王国にやってきたのだから! 「俺たち二人でエスコートするか。これなら、公平だろう?」 レジェスが私に手を差し伸べた。 「ルナリア。行こうか」  フリアンが微笑んで、空いた手を取る。  二人のエスコートで、私はアギラカリサ王宮のパーティーへ乗り込んだ。
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