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時系列でいうと、セレステが光の巫女になった後だったはず。
レジェスとセレステの婚約が成立しなかったら、物語はどうなるんだろうか。
もしかして、私が牢屋に放り込まれないで済む?
「ルナリア。また浮かない顔をしてどうした?」
「う、ううん! 少し緊張していて……」
「大丈夫だよ。ルナリア。僕がいるからね」
動揺している私にフリアンが微笑んだ。
「うん。ありがとう……」
ぎゅっとドレスを握りしめた。
――これではっきりしたわ。物語は変えられる!
主要な登場人物は、本来のストーリーをなぞるように動くと思っていたけど、そうじゃないとわかった。
レジェスがはっきりセレステとの婚約を拒否したということは、私の行動ひとつで登場人物に対しても変えていけるということだ。
――必ず、マーレア諸島との取引を成功させなくちゃ。
これは、ひとつの大きな分岐点だ。
オルテンシア王国の二番目の姫ではなく、ルナリアとして認めてもらう。
そのために、私はアギラカリサ王国にやってきたのだから!
「俺たち二人でエスコートするか。これなら、公平だろう?」
レジェスが私に手を差し伸べた。
「ルナリア。行こうか」
フリアンが微笑んで、空いた手を取る。
二人のエスコートで、私はアギラカリサ王宮のパーティーへ乗り込んだ。
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