18 社交界デビュー

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 厳しい領地の南方アレナ。それが、王よりレジェスが与えられた領地だ。  ――でも、レジェスが治めるようになってから、大きな争いがなくなったとシモン先生が言っていたわ。  レジェスが有能なのは、誰の目から見ても明らかだ。  それを認めたくない三人の兄たちは、レジェスを殺してしまおうとしている。 「ねえ、レジェス様にエスコートされている少女は誰……?」 「銀髪の可愛らしいご令嬢ですわね」 「エスコートしている金髪の男性も素敵!」  やっと私とフリアンの存在に気づいてくれたようだ。  どこの国の王女と王子かと、私とフリアンの正体を探る声が飛びかう。   「レジェスが自分の婚約者として連れてきた少女だ」  アギラカリサ王――国王陛下が全員の前で告げると、どよめきが起き、好奇の視線が私に向けられた。  ――う、うわぁ……。すごく見られてる!  でも、ここで怖じ気づき、十二歳の子供だと、侮られるわけにはいかない。   「レジェス様の婚約者ですって?」 「まだ、ほんの子供ではありませんか」 「どういうことですの!?」  どれだけ騒がれようが、私は王女らしく振る舞うと決めている。
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