18 社交界デビュー

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「アギラカリサ王国の皆様、はじめまして。わたくしはオルテンシア王国第二王女ルナリアと申します」  軽く膝を曲げ、笑顔で挨拶をする。  歓迎の拍手が起き、ホッとしたのは一瞬だけで、レジェスの兄たちから容赦のない言葉が浴びせられた。   「レジェスは幼女趣味だからな」 「ははは。本当に愚かな奴だ」 「父上。レジェスは王になる気がないのですよ」  貴族たちは気まずそうな表情で、レジェスの顔色をうかがう。  この場で兄弟同士の争いが起きれば、せっかくのパーティーは台無しである。  レジェスと兄たちの間に、誰かが割って入らなければ、この重苦しい空気を変えられない気がした。 「恐れながら」  私は三人の王子ではなく、国王陛下に向けて言った。  彼らを黙らせることができるのは、父親の国王陛下のみ。 「私がレジェス様に相応しくないと思われたのであれば、国王陛下が私を王宮前で追い返していたでしょう」  私の発言に大広間が静まり返った。 「知らぬ顔をしていればいいのに……」 「可哀想。兄弟同士の争いに巻き込まれるわよ」  貴族令嬢たちの話し声が聞こえてくる。
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