18 社交界デビュー

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 同情する声が多く、貴族たちは一様に不安そうな表情を浮かべている。  ――レジェス以外の王子が、どれだけ彼らに恐怖を与えているかわかるわ。  重苦しい空気を消したのは、国王陛下の一言だった。 「面白い。なかなか度胸がある王女だ」  余裕のある国王陛下だけが声をたてて笑った。  貴族たちもなんとか笑おうとして、ひきつった笑いを浮かべている。 「その通りだ。王である俺が王宮の出入りを許した。お前たちは黙っていろ」  獣のような鋭い瞳が、三人の王子たちを圧倒する。  国王陛下はアギラカリサ王位継承戦を勝ち抜き、即位した王である。  戦いを制しただけあって、その威圧感は普通じゃない。  ――これがアギラカリサの王。   「パーティーを楽しめ。オルテンシアの第二王女」 「ルナリアと申します」 「……ふん。まだ名を覚えるほどでもない」  まだ名前を覚えるだけの価値はない――そう言いたいらしい。 「レジェス。お前が連れてくる人間は、いつも面白い人間ばかりだな。マーレア諸島の人間を王宮に招いた時もそうだ。我が国に大きな利益をもらした」  
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