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国王陛下は三人の王子が並ぶ席を冷たい目で見た。
「レジェスを見習え。愚息どもが」
反論すらできないらしく、三人の王子は黙った。
それに対して、レジェスは静かに笑い、獰猛な獣のみたいな国王陛下を前にしても余裕があった。
「父上が楽しそうでなによりです」
「お前のおかげで退屈が減る。誰も望んでいないだろうが、長生きできそうだ」
「それはよかった。父上には長生きして、判定者の役目を果たしていただかないと、兄上たちと俺で戦争になりますよ」
二人は声をたてて笑う。
――わ、笑えない~! さすがに、そこまで軽快に笑えるような内容じゃないからっ!
たとえるなら、冬眠明けの熊。
うっかり目を合わしたらオシマイ。
それくらい怖いのに、レジェスはのんきなもので、まったく動じてない。
「ルナリア。ダンスは練習したか?」
「えっ!? はい。練習しました!」
私にダンスの授業はなかった。
セレステには多くの教師がいたけれど、私を空気のように扱う両親は、どうでもよかったのだと思う。
たけど、ティアが教えてくれた。
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