18 社交界デビュー

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 今を楽しんでいいのなら、私はレジェスと楽しくダンスを踊りたい。 「よし。緊張してないな?」 「はい」    私の前に差し出された手をとる。  社交界デビューの初めてのダンスをレジェスと踊れるのが嬉しかった。    ――本物のお姫様みたい。  音楽隊は私とレジェスを見て微笑み、明るいワルツを奏でた。 「まあ。なんて可愛らしい」 「お人形さんのようね」 「パーティーで、レジェス様が楽しそうにされているのを久しぶりに見ましたわ」  身長が足りなくて、さりげなく背伸びしていると、レジェスが私の体を支え、転ばぬよう上手にリードする。  片手で抱き上げて、くるくる回る。  わぁっと歓声が上がり、大広間が明るくなった。 「レジェス様!」 「ルナリア! しっかり手を握ってないと落ちるぞ!」  無邪気なレジェスに、国王陛下も笑っている。  けれど、私たちがダンスを踊るのを見て、面白くない顔をしていたのはレジェスの兄たちで、こちらに向かって文句を言っていた。 「ふん。子供になにができる」 「小国のオルテンシアなど、我々の道具だ」  その言葉で確信した。
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