18 社交界デビュー

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 ――やっぱり、オルテンシア王国を利用するつもりでいるんだわ!  レジェスが危惧していたように、マーレア諸島の商品を一気に値上げし、オルテンシア王国から、お金を搾り取れるだけ搾り取る算段でいる。  そして、自分たちの領地を潤し、王位継承戦を優位に進める。  ――そんなことさせない!  私に聞こえるように、レジェスの兄たちは大きな声で話す。 「よりにもよって、オルテンシア王国の二番目の姫を選ぶとはな」 「美しく賢いのは一番目の姫だと聞いている。レジェスは連れてくる相手を間違えたのではないか?」    ――また二番目。  呪いみたいについてまわる『二番目の姫』の肩書き。  レジェスから手を強く握りしめられて、ハッと我に返った。 「レジェス様……」 「ルナリア。よそ見をすると転ぶぞ」  レジェスの私を支える力が心強い。 「はい!」    それから、私とレジェスはちゃんとしたワルツを踊って終わった。  二曲目が始まった。  次のダンスは別の人と踊るのがマナーである。  私を誘う人はいないと思い、戻ろうとした時―― 「ルナリア王女。踊っていただけませんか?」  私に手を差し出したのは、黒髪に褐色の肌をしたエキゾチックな男性で、その顔に見覚えがあった。  ――昨日、庭園で会ったマーレア諸島クア族のルオン! 「ルナリア。踊ってこい」    レジェスが私を応援するように、背中を優しく押した。
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