2 優しい幼馴染み

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 ――うわああああ! 五歳! 私、五歳だった!  慌てて言い訳を考えた。 「ルナリア、レジェス様を尊敬してるから!」 「尊敬か……」 「そ、そうだよ! お兄様みたいだし~」  まんざらでもない顔をしてレジェスは笑った。  セレステの婚約者となるレジェスは、優秀な大国の王子で、セレステでさえレジェスに振り回され、持て余していたイメージのキャラだったから、こんな顔をするのは意外だった。  もしや、お兄様呼びされるのが好きだとか……末っ子だしあり得る。 「頼れるルナリアのお兄様だよ?」 「そうか。なんでも頼ってこい。お前のお兄様だからな」  呼ばれて嬉しい『お兄様』。  レジェスはすごくいい笑顔だった。 「なんでも頼れって……。レジェスはもう少ししたら、アギラカリサ王国に帰るだろう?」  お兄様と呼ばれて喜ぶレジェスを見て、フリアンは苦笑した。 「手紙がある。馬で駆ければ、オルテンシア王国まですぐだ」 「うん! ありがとうレジェス様!」 「僕も簡単なことならわかるから、いつでも教えてあげるよ」 「フリアン様もありがとう」
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