19 兄たちの卑怯な思惑(1)

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 死なずに幸せになる方法を探しているのは、ルオンも私と同じだ。 『お前に礼を言いたくてダンスに誘った。それで、なにか望みはないか? 宝石でも別荘でも、なんでも買ってやろう』 『では、スパイスと紅茶をいただけませんか?』  私の言葉にルオンは表情をサッと変えた。  そして、ルオンの視線が私から外れ、三人の王子に向けられていた。    ――これは、なにかある。オルテンシア王国と取引するなと言われているのかもしれないわ。  計画が失敗しないよう前もって根回しをしてあるのは当然のこと。  だから、ルオンになにを言っていても驚かないけれど、脅しや強請(ゆす)りで動じる性格とは思えない。  ルオンからは、レジェスと同じような空気を感じるからだ。   『ルオン様。難しいでしょうか?』  私が『わかってます』というように、にっこりと微笑むと、ルオンが苦笑した。 『本当に聡い……。俺としてはオルテンシア王国と取引しても構わない。だが、こちらにも色々と問題があってな。……とある連中から、島に家畜を贈られ、ここ数年で家畜が増えた』  家畜が増えることはいいことだ。
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