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――そうよね。十二歳だし、難しい話をするわけないって普通は思うわよ。
でも、一人だけ違った。
「うまくいってよかったな」
「はい。レジェス様」
レジェスだけは、最初から私ならできると信じていてくれた。
「ルオンには気を付けろ。菓子をやると言ってもついていくなよ?」
――それって、子供を誘拐する手口なんですけど。
心配してくれるのは嬉しい。
でも、完全に子供扱いである。
それに、レジェスとルオンは友達だと聞いている。
「レジェス様とルオン様は友達ですよね?」
「まあ、そうだな」
「私が誘拐されるようなことはないと思います」
「もっと警戒心を持て!」
そうレジェスが言った瞬間――
「僕もそう思うよ。アギラカリサ王国は危険だ。レジェスも含めてね」
フリアンがそばにいた。
そして、いつもより緊張感があり、周囲を警戒してピリピリしている。
「俺も仲間に入るのか?」
「ルナリアとダンスを踊ったからね。僕がオルテンシア王から、ルナリアとの婚約を打診されていると知っているくせに、君は本当に自由だな」
「フリアン。俺たちは自由だぞ」
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