20 兄たちの卑怯な思惑(2)

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 早朝にアギラカリサ王宮を去ることになった。  夜は私が抜け出せないようティアと侍女が、がっちり脇を固め、扉には鍵がかけられた。  そして、レジェスとフリアンは隣室と向かいの部屋で寝るようにティアは命じ、外まで守りを固めるという徹底ぶり。  でも、もう部屋を抜け出して、巫女に会おうなんて思ってない。  会いたいけど、レジェスが私のせいで命の危機に晒され、迷惑をかけてしまった。  闇の力の暴走を考えたら怖いけど……  ――レジェスが傷ついたり、死んだりするほうが絶対に嫌。    だから、私は無事にアギラカリサ王国から出国できるようおとなしくしていることに決めた。  そんなわけで、夜はティアの監視の下、早々にベッドへ入れられてしまい、起こされなくても夜明けには目が覚めた。 「ルナリア様が早起きしてくれて、本当によろしかったですわ」 「起こすのも大変なんですよ」 「支度に時間をかけれて、髪も可愛くしてあげられますしね」  私の髪につけたリボンをくるんとさせると、鏡の向こうで侍女がにっこり微笑んだ。 「ほら、とっても可愛らしいですよ!」
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