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「ルナリア様はレース付きのリボンがお好きでしょう?」
――ぐっ! 子供扱い!
マーレア諸島の取引を成功させ、パーティーでは大人顔負けの立ち回りを見せたというのに、ティアと侍女たちは早起きする私のほうが嬉しいらしい……
寝坊してしまう私が悪いって、わかってるけど、ちょっとだけしょんぼりした。
朝食も済ませ、後は出発まで静かに待つだけ――準備は万全だった。
そんなところに、レジェスが部屋に現れた。
「ルナリア、少しいいか? 父上がルナリアに会いたいと言っているんだが、どうする?」
「国王陛下が!? 私にですか?」
「ああ。興味を持ったのだろう」
孫におこづかいをくれるみたいなノリで『会いたい』なんて言ってきたとは思えない。
でも、向こうが会いたいと言うなら、私に拒否権はないのだ。
こっちは小国オルテンシアの第二王女。
むこうは大国アギラカリサの国王陛下。
――断れないってわかってて、呼び出したわよね。
「心配するな。俺も一緒に行く」
「いえ……。レジェス様は出発準備で忙しいでしょうから、私だけで大丈夫です」
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