20 兄たちの卑怯な思惑(2)

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「ルナリア様はレース付きのリボンがお好きでしょう?」    ――ぐっ! 子供扱い!  マーレア諸島の取引を成功させ、パーティーでは大人顔負けの立ち回りを見せたというのに、ティアと侍女たちは早起きする私のほうが嬉しいらしい……  寝坊してしまう私が悪いって、わかってるけど、ちょっとだけしょんぼりした。  朝食も済ませ、後は出発まで静かに待つだけ――準備は万全だった。  そんなところに、レジェスが部屋に現れた。 「ルナリア、少しいいか? 父上がルナリアに会いたいと言っているんだが、どうする?」 「国王陛下が!? 私にですか?」 「ああ。興味を持ったのだろう」  孫におこづかいをくれるみたいなノリで『会いたい』なんて言ってきたとは思えない。  でも、向こうが会いたいと言うなら、私に拒否権はないのだ。  こっちは小国オルテンシアの第二王女。  むこうは大国アギラカリサの国王陛下。  ――断れないってわかってて、呼び出したわよね。   「心配するな。俺も一緒に行く」 「いえ……。レジェス様は出発準備で忙しいでしょうから、私だけで大丈夫です」
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