20 兄たちの卑怯な思惑(2)

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『どうやって取引を成立させたか』  でも、それを教えるわけにはいかない。  ルオンが巫女に会おうとしたことがバレてしまうし、私がその場にいたのもわかる。  だから、ここはとぼけるのが一番だ。 「ルオン様はお優しい方ですから、十二歳の女の子が遠い他国まで来て、頼んだので断れなかったみたいです」  笑ってごまかしておいた。  たぶん、疑問は解消されてない。  でも、アギラカリサ王の高いプライドを考えたら、私に『わからないから教えてくれ』とは言わないだろう。 「そうか。十二歳か。お前の将来が楽しみだ」  国王陛下が話している間も、侍女たちは手を止めず、衣服を整える。  重そうな宝石がついたアクセサリーを身に付けていく。   「ありがとうございます。でも、私の力だけではありません。レジェス様が連れてきてくれたからです」 「レジェスは優秀だ」  国王陛下の表情が和らいだ。  四人の息子たちの中で、特にレジェスを気に入っているのがわかる。  侍女たちも微かに笑っていた。 「レジェスは王になるために生まれた。だから、あいつの名は(レジェス) と名付けた」  ――生まれながらの王。
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