20 兄たちの卑怯な思惑(2)

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 それなのに頬が緩むのがやめられない。  足取りが軽くなり、うっかりスキップしてしまいそうになった。  さすがに国王陛下の部屋に続く廊下で、スキップはできない。  でも、ふわふわした気持ちで部屋に戻っていく。 「あ……」  ――会いたくない人に出会っちゃった。  広い庭園にレジェスの兄たちがいるのが見えた。  美しい女性を大勢連れて歩き、楽しそうにしている。  早朝だからか、今までで一番軽装で、まだ身支度を済ませてないように見える。  レジェスはもう出発して、私を国境まで送ったら領地に戻るというのに大違いだ。  気づかれないよう去ろうと思って、気配を消したつもりが、あっさり見つかってしまった。 「あれは、ルナリア王女じゃないか?」 「父上の部屋がある方から歩いてきたな。父上になんの用だ?」 「おおかた帰国の挨拶だろう」  ――う、うわ~! 私のことは無視でいいんですけど!  聞こえないフリをして立ち去りたかったけど、そうもいかない。  どんなに嫌でも、向こうは大国アギラカリサの王子たち。  私から無視はできない。  渋々、近づいて挨拶をする。
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