20 兄たちの卑怯な思惑(2)

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 私が泳ぐには深すぎるだけで、他の船はちゃんと岸辺にある。  レジェスなら岸辺にある船を使って、私を簡単に助けるだろう。    ――いったい、なにをたくらんでるの? 「ルナリア!」  レジェスの声が聞こえた。  どんな罠が仕掛けられているかわからず、こちらへ来るのを止めようと叫んだ。   「レジェス様! 一人で来てはいけません! これは罠です!」  すぐにレジェスは、私が池の真ん中に置き去りにされているのを見つけた。   「兄上か……!」 「ダメです! 船に乗らないでください!」  船に乗り、レジェスがこちらへ向かおうとしたのを止めた。  止めた私を黙らせるためか、どこからか、数本の矢が船に突き刺さった。 「なっ、なに? 矢……?」  なぜ、障害物のない池のど真ん中に置き去りにされたのか、突きささった矢で気づいた。  弓矢で殺しやすいように、隠れる場所のない池の真ん中を選んだのだ。  矢の的になっている私を助けるため、船を出すのを待っている。  私の元へ向かっている途中で、レジェスを殺すつもりなのだ。  ――レジェスが船に乗らないのであれば、私が殺される。  
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