21 兄たちの卑怯な思惑(3)

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「これは闇の巫女の力……?」    ――こんなことって……。私が闇を生み出す力に目覚めるのは十六歳のはず。  闇は日差しを遮り、私の周囲は真っ暗だった。 「ルナリア、怪我はないか?」    闇の中でも視力を失わないレジェスは、私が乗っていた船まで辿り着くと、自分の船に乗せた。 「わ、私……」 「どうした? 怖かったのか?」    私は闇の力に目覚めてしまった。  レジェスだけでなく、暗殺者たちに闇を生み出す姿を見られてしまい、隠すのは不可能。  忌み嫌われる闇の力を知られてしまった。    ――物語と同じように牢屋に放り込まれて、私は死ぬの?  怖くてレジェスの顔を見れなかった。  レジェスはきっと私を嫌う。  嫌うのはレジェスだけじゃない。  シモン先生もティアも、みんな私を怖がって忌み嫌われる。 「ご、ごめんなさい。私、闇の力を使うつもりはなかったんです」  無害だと思ってもらわなくては、きっと私は殺される。 「これがオルテンシア王国に伝わる闇の巫女の力か」 「忌まわしい力ですが、誰にも危害を加えたりしません。だから……」  レジェスが私の頬を両手で包み込む。  
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