21 兄たちの卑怯な思惑(3)

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「フリアンか。お前はルナリアを探す天才だな」 「なに言ってるんだ。もう出発だっていうのに、ルナリアと船に乗って遊んでいる場合じゃないだろう?」    フリアンも探していたようで、私とレジェスを見つけ、岸辺から呼んでいる。 「あの、レジェス様……」 「わかっている。俺は誰にも言わない。お前が俺の瞳のことを黙っているように、お互い秘密にしよう」 「ありがとうございます……」  レジェスは私の涙をぬぐった。  涙をぬぐわれるまで、私は自分が泣いていたことにも気づかなかった。 「ルナリアはずっと闇の巫女になるのを恐れていたんだな」 「はい……」  本当は違うけど、おおまかにはそういうことだ。  闇の力さえ暴走しなければ、私は死なずに済むのだから。  船を戻し、フリアンと合流する。 「俺は遊んでいない」 「そうみたいだね……」  フリアンは草むらに倒れる暗殺者を目にし、苦笑した。 「レジェスは恨みを買いすぎだ。ルナリアを巻き込んでもらっては困る」 「悪い。だが、ちゃんと守ったぞ」 「当たり前だ。だいたい君は……!」  近くで草むらを誰かが這う音がし、フリアンが言葉を止めた。
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