27 ルナリアの弱み ※セレステ

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「アギラカリサの追手が、レジェス様だから平気だと思っているの? ルナリアはレジェス様に色仕掛けするつもりかしら?」 「いいえ。レジェス様相手に色仕掛けなど、通用しませんわ」  命の危険があるというのに、ルオン様はレジェス様を思い出してか、笑っていた。 「色仕掛けでどうこうできる男なら、今頃、生きてはいまい」  その言葉に、ルオン様とレジェス様の信頼の深さが推し量れた。 「お前がルナリアの姉で、光の巫女のセレステ王女か」 「はじめまして。ルオン様」 『ルナリアより私のほうが美しい』と、言うに決まっている。  そう思っていたら、ルオン様は言わなかった。 「光の巫女の口から、色仕掛けという言葉が出るとは意外だった」 「ルナリアなら、やりかねないと思ったからですわ」 「そうか。お前とは意見が合わないようだ。スサナ、行こう」  レジェス様にどこか似ているルオン様――そういえば、二人は友人であるとか。  フリアン様が私の前に立つ。  優しいフリアン様なら、きっと私を慰めてくれる。 「王位継承権を放棄したとはいえ、あなたが王女であることには変わりありません。発言には気をつけてください」
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