1358人が本棚に入れています
本棚に追加
追手がレジェス様と知れば、二人を殺さないでと懇願するか、媚びてすがるか……
「レジェス様。遠路はるばる馬を駆けてこられて、お疲れでしょう」
「ルナリア。ルオンとスサナを連れにきた」
「わかっています。でも、レジェス様は少しお休みになったほうがよろしいですわ」
ルナリアはレジェス様よりも落ち着いていた。
レジェス様はそこで冷静になったのか、ルオン様とスサナ様、フリアン様とシモンの顔を見る。
全員がルナリアを信じ、レジェス様が来ても動じなかった。
「レジェス様。ルオン様に私が巫女をお連れしてほしいとお願いしたのです」
「なにを言ってる? 罪をかぶるつもりか?」
二人に同情し、ルナリアは自分が犠牲になるつもりなのか、そんなことを言い出した。
「いいえ。レジェス様。まずは、私の話を聞いてくださいませんか?」
「それは構わんが……」
ルナリアに罪が及ぶのを恐れたレジェス様が、ちらりとルオン様を見る。
「俺は逃げない。どうせ、スサナと逃げても、レジェスが見つけるだろう?」
「レジェス様は私とルオン様が、船旅をするだけの時間稼ぎをしてくださいました。感謝しております」
最初のコメントを投稿しよう!