28  物語を越えて

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 私とレジェスは、お互いの秘密を共有している。  暗闇でも見えるレジェスの瞳。  闇を作り出す私の力。 「レジェス様。私は自分の力を隠し続ける気はありません」 「どういう意味だ?」  私の話を聞こうと思ったのか、レジェスが身を起こした。 「私をアギラカリサへ連れていってくださいませんか?」  その瞬間、レジェスは自信たっぷりな表情を崩し、複雑な感情が混ざったなんともいえない顔をした。 「……女王にならないのか?」    セレステが王位継承権を放棄し、人々の噂では、私が女王になると言われている。  でも、それは噂だ。 「私は女王になりません」 「しかし、それでは誰が次の王になる?」 「オルテンシア王国の王にふさわしい方が王になります。私でもなく、お姉様でもない人が王になるでしょう」    私が微笑むと、レジェスは目を閉じ、私の肩に額を寄せた。   ――私をオルテンシア王国から連れていくべきか、行かないべきか考えているんだわ。  連れていきたい気持ちと同時に、私の女王としての可能性を考えているのだ。
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