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私とレジェスは、お互いの秘密を共有している。
暗闇でも見えるレジェスの瞳。
闇を作り出す私の力。
「レジェス様。私は自分の力を隠し続ける気はありません」
「どういう意味だ?」
私の話を聞こうと思ったのか、レジェスが身を起こした。
「私をアギラカリサへ連れていってくださいませんか?」
その瞬間、レジェスは自信たっぷりな表情を崩し、複雑な感情が混ざったなんともいえない顔をした。
「……女王にならないのか?」
セレステが王位継承権を放棄し、人々の噂では、私が女王になると言われている。
でも、それは噂だ。
「私は女王になりません」
「しかし、それでは誰が次の王になる?」
「オルテンシア王国の王にふさわしい方が王になります。私でもなく、お姉様でもない人が王になるでしょう」
私が微笑むと、レジェスは目を閉じ、私の肩に額を寄せた。
――私をオルテンシア王国から連れていくべきか、行かないべきか考えているんだわ。
連れていきたい気持ちと同時に、私の女王としての可能性を考えているのだ。
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