28  物語を越えて

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 レジェスは私がなにをしようとしているか、すぐに理解できたはずだ。  私はうなずいた。 「スサナ様に力がなくなれば、アギラカリサ王宮にいる必要はありません」  ルオンとともにマーレア諸島に行ける。 「ルオン様はレジェス様の友人です。絶対、殺してはいけません」 「……ああ」  レジェスに殺されようとしていたルオンと、 捕まるまでの短い時間を楽しむスサナ。  どうにかしてあげたいと、レジェスも思っていたはずだ。  でも、そのためにはレジェスが王になる必要があった。  けれど、アギラカリサ王が気づかないわけがない。  気づいたアギラカリサ王は、レジェスを王にするため、ルオンとスサナの駆け落ちを利用し、優しさや甘さを捨てさせようとしたのだ。    ――そんなことさせない。レジェスの優しさにどれだけの人たちが救われたかわからないわ。   「わかった。俺の命にかえても、お前を全力で守ると約束する」  レジェスと私の約束が終わると、庭にルオンとスサナが現れた。  スサナは布をとり、額には巫女の証である星の紋が見えた。 「ルナリア様。本当によろしいのですか?」
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