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レジェスは私がなにをしようとしているか、すぐに理解できたはずだ。
私はうなずいた。
「スサナ様に力がなくなれば、アギラカリサ王宮にいる必要はありません」
ルオンとともにマーレア諸島に行ける。
「ルオン様はレジェス様の友人です。絶対、殺してはいけません」
「……ああ」
レジェスに殺されようとしていたルオンと、 捕まるまでの短い時間を楽しむスサナ。
どうにかしてあげたいと、レジェスも思っていたはずだ。
でも、そのためにはレジェスが王になる必要があった。
けれど、アギラカリサ王が気づかないわけがない。
気づいたアギラカリサ王は、レジェスを王にするため、ルオンとスサナの駆け落ちを利用し、優しさや甘さを捨てさせようとしたのだ。
――そんなことさせない。レジェスの優しさにどれだけの人たちが救われたかわからないわ。
「わかった。俺の命にかえても、お前を全力で守ると約束する」
レジェスと私の約束が終わると、庭にルオンとスサナが現れた。
スサナは布をとり、額には巫女の証である星の紋が見えた。
「ルナリア様。本当によろしいのですか?」
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