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「構いません。私はレジェス様のおそばに一生いると決めています」
スサナは海色の瞳から涙をこぼした。
どれだけ、スサナが苦しみ、自由に焦がれていたか――
「ありがとう、ありがとうございます……! ルナリア様!」
私に抱きつき、スサナは泣いた。
「まだお礼を言うのは早いです。アギラカリサ王を納得させ、ルオン様の処刑を回避しなくてはなりません」
今のところ、ルオンがアギラカリサ王宮から巫女を連れ出した事実は変わらない。
「ルオン様とスサナ様が私のところへきたのは、私に巫女の力を引き継がせるためということにしましょう」
ルオン様がうーんと唸った。
「悪い案ではないが、普通の人間にスサナの力を受け継がせようと思うか?」
「それは普通の人間であればですよね」
私は闇の巫女の力を持つ。
それを知らないルオンとスサナの前に、闇を作り出して見せた。
「闇の巫女の力か」
「オルテンシア王家の王女に現れるという光の巫女と闇の巫女。ルナリア様は闇の巫女だったのですね」
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