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「そうです。私が闇の力を暴走させないため、巫女の力が必要だった。ルオン様は私を助けるため、スサナ様を連れて、ここまでやってきた――そういうことにしましょう」
レジェスは私の力を知っているから、少しも驚かなかった。
「レジェス。お前、知ってたな?」
「ああ」
私を見守る目は優しく、そして穏やかだった。
「スサナ様。私に力をいただけますか?」
「はいっ……!」
白い指が私の額に触れ、スサナ様の持っていた力を受け継ぐ。
目を開けると、流れの緩やかな水路の水に映った私の額には、星の紋が浮かび上がっていた。
「お前は俺の妃だ。アギラカリサの巫女で、俺の妃とする。一生そばにいろ」
「はい!」
十二歳の頃に願ったもうひとつの夢。
それが、今、叶おうとしていた――
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