4 裏の顔(2)

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 レジェスの一言に、セレステは笑顔なのに、冷たい目でこちらをにらんでいるように見えた。  あれは、私のことが大嫌いだっていう目だ。  でも誰も気づかない。  ――だってセレステは一番目の姫。みんなから愛され、大切にされるんだから嫌われない。二番目の私とちがって。  乳母に手を引かれ、歩こうとしたけど、ふらふらして目の前が真っ暗になる。  ばったり倒れた私が最後に見たのは、笑うセレステの顔だった。
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