6 裏の顔(4)

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「ルナリア様。泣かないでください。解雇になってもしかたのないことなんですよ」  乳母が優しい口調で私に語りかけ、エプロンで涙をぬぐってくれた。 「あの時、お勉強の時間だったのに、止めなかった私たちが悪かったんです」 「ルナリア様が水路に落ちたと聞いて、とても後悔しました」  ずっとお世話をしてきてくれた乳母と侍女たちが、私のそばからいなくなる――心細いし、寂しかった。  両親が気にかけてくれず、いつも一緒にいてくれたのは乳母と侍女だ。  ――お父様たちにお願いして駄目だったとしても、なにもやらないよりいいわ! 「ルナリア、お父様にお願いしてくる! だから、待ってて!」 「まあ! いけません。今日はレジェス様がアギラカリサにお帰りの日ですし、お邪魔になりますよ!」 「叱られるよ。ここにいたほうがいい」  フリアンが私を止めようとしたけど、するりとかわして、伸ばした手からすり抜けた。   部屋を飛び出し、お父様とお母様を探す。  うろうろしている私に気づいた兵士が驚き、声をかけてきた。   
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