6 裏の顔(4)

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「ルナリア様。寝間着姿でどうなさいましたか!?」 「えっと、お父様とお母様はどこ?」 「レジェス様がアギラカリサ王国へ戻る日ですので、お見送りするため、王宮前にいると思いますが……」 「ありがと!」  兵士が止めた気がしたけれど、王宮の前へ向かって走っていた。  五歳の子供に王宮は広かった。  しかも、病み上がりで完全に治っていない。  ふらふらになりながら、王宮前にたどり着くと、そこには正装したレジェスが、滞在のお礼を述べているところだった。 「オルテンシア王国のもてなしに感謝する」 「レジェス様がいなくなると、とても寂しいです」  セレステがレジェスの手を握り、お父様は獲物を仕留めたとばかりに微笑んだ。 「レジェス殿下。できれば、いずれセレステの婿として……」 「お父様! お母様!」  会話が終わるのを待てずに遮ってしまった。  お父様とセレステが、私の姿を見て嫌そうな顔をした。  そして、お母様の怖い顔で、ようやく自分が寝間着姿だということに気づいた。  ――叱られる!  しまったと思ったけど、もう遅い。 「あなたという子はっ……!」
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