7 知らない登場人物

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 小説『二番目の姫』のストーリーどおりに話は進む。  セレステが熱を出してから、前にも増して両親は私に冷たく、セレステから引き離された。  同じ王宮にいるのに、顔を見ない日々が続いている。  ――でも、私は平気。  レジェスが面白い手紙を送ってくれるし、学ばなくてはならないことが多くすぎて、寂しいなんて言ってられない。 「レジェス様も大変そう」  レジェスが与えられた領地に戻ったと、手紙で知った。  大国アギラカリサの王位継承は特殊で、年齢に関係なく王子同士を争わせて決める。  王が息子に領地を与え、どれだけ領地を発展させることができるか手腕を試される。  もっとも繁栄させた王子が、次期国王に指名されるのだ。  レジェスは四人の王子の末っ子で、一番不利な立場にいる。  それでも、愚痴ひとつ手紙に書いてこない。  ――大変なのは私だけじゃないわ。レジェスは十二歳なのに、もう一人前の大人として扱われてる。    レジェスのことを思うと、私も頑張れそうな気がして元気が出る。  崩れそうな本の山に、読み終わった本をのせた。
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