7 知らない登場人物

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「明日からの授業のため、ルナリア様がどれだけの知識をお持ちか、テストしてもよろしいでしょうか?」 「はい」  大人用の椅子は大きく、ティアがクッションを持ってきてくれた。  クッションを重ね、なんとか机の高さになった。 「まずは政治からです」  シモン先生はチェスの駒に似たものを取り出すと、長机の上に世界地図を広げた。 「ルナリア様。この駒を置いていただけますか?」  うなずき、いくつか駒を受け取った。  駒は王冠と杖と金貨だ。  ――世界地図を広げたということは、この駒をそれぞれの国に置けということね。  どれだけ国々と世界情勢を把握しているか、私を試しているのだ。  アギラカリサ王国の上には王冠、オルテンシア王国には杖、マーレア諸島連合には金貨の駒を置く。 「次に経済」  ミニチュアの金の延べ棒を私に渡す。  もちろん、一番繁栄しているのはアギラカリサ王国で、次はマーレア諸島。  マーレア諸島は貴重なスパイスや茶葉、砂糖など交易品として扱っているため、経済力がある。  三つのうちなら、オルテンシア王国が一番経済的に弱い。  そう思っていた。
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