7 知らない登場人物

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 フリアンから婚約破棄されるルナリア。  そこから不幸のドミノが始まると言っていい。 「あら、大好きだっておっしゃってたじゃないですか」 「違うわ! フリアン様はルナリアにとって、お兄様みたいな好きってことよ!」  勘違いされては困るから、力いっぱい否定した。  それなのに―― 「まあ、ルナリア様。照れていらっしゃるのね」 「フリアン様も楽しみにしていらっしゃいましたよ」  ティアだけでなく、侍女たちも私とフリアンを近づけようとしている。  フリアンは公爵家の一人息子。  もしかしたら、内々で婚約者として決められてる?  ――フリアンの婚約者を回避するのが、一番難しいかもしれないわ。  小説『二番目の姫』では、私とフリアンが婚約者になり、セレステとレジェスが婚約者になる。  まだ私が五歳、セレステが六歳だというのに、物語の結末に向けて予定どおり進んでいる。  私の未来はすでに決められ、逃げられないようになっていた――
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