8 私(五歳)の婚約者候補

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 ――物語の強制力に逆らえないの?  眩しい太陽を見上げた。  雲ひとつない快晴が恨めしい。  私の目の前には、笑顔のフリアンがいる。  フリアンは今日も王子様みたいで、青の乗馬服がとても似合っていた。  私も乗馬服に着替え、基礎的な運動から始めることになった。 「ルナリア。よろしく」  ――フリアンは悪くないわ。それに、馬に乗れないと困るし、剣術だって必要よ。  婚約破棄される未来は、ひとまず横に置いておくことにした。 「よろしくお願いします」  真面目な顔で挨拶をすると、フリアンが爽やかな笑みを浮かべて私に言った。 「最近のルナリアは大人みたいだ。急に成長してしまったみたいで寂しいな」 「ルナリア、五歳だから、お姉さんになろうと思って!」  急に成長したと言われ、焦りながら五歳のふりをする。  自分では五歳のつもりだけど、やっぱり演じ切れてない。  とりあえず、笑って誤魔化しておいた。 「ルナリアは偉いね」 「え、えらい?」  なにかやらかしただろうかと、フリアンを見る。    ――うわ! イケメン!  フリアンの笑顔が輝いていて眩しい。
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