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――物語の強制力に逆らえないの?
眩しい太陽を見上げた。
雲ひとつない快晴が恨めしい。
私の目の前には、笑顔のフリアンがいる。
フリアンは今日も王子様みたいで、青の乗馬服がとても似合っていた。
私も乗馬服に着替え、基礎的な運動から始めることになった。
「ルナリア。よろしく」
――フリアンは悪くないわ。それに、馬に乗れないと困るし、剣術だって必要よ。
婚約破棄される未来は、ひとまず横に置いておくことにした。
「よろしくお願いします」
真面目な顔で挨拶をすると、フリアンが爽やかな笑みを浮かべて私に言った。
「最近のルナリアは大人みたいだ。急に成長してしまったみたいで寂しいな」
「ルナリア、五歳だから、お姉さんになろうと思って!」
急に成長したと言われ、焦りながら五歳のふりをする。
自分では五歳のつもりだけど、やっぱり演じ切れてない。
とりあえず、笑って誤魔化しておいた。
「ルナリアは偉いね」
「え、えらい?」
なにかやらかしただろうかと、フリアンを見る。
――うわ! イケメン!
フリアンの笑顔が輝いていて眩しい。
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