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「言い伝えでは、闇の巫女が現れると世界は闇で覆われると書かれてあります。闇を恐れる人間にとって、悪いものと感じる人間もいるでしょう」
――闇に対する恐怖心で、闇の巫女を悪いものだと決めつけてきたという可能性もあるってこと。
だったら、ルナリアが闇の巫女になっても無害だとわかれば、なんの問題もない話だ。
でも、シモン先生なら知っているかもしれない。
「……先生。巫女の力を封じる方法はありませんか?」
「封じる? うーん、それはまだ見つけられてませんが、アギラカリサ王国には力を封じる巫女がいるそうです」
「アギラカリサ王国に……?」
「あの国は他国を侵略し、広い領土を所有し、様々な民族を支配してきました。他の民族を支配するため、力を封じることができるという巫女を利用し、逆らえないようにしているのです」
アギラカリサ王国の暗い部分を知ってしまったけど、私にとって、それは朗報でもあった。
――闇の力に目覚める前に、アギラカリサの巫女に力を封じてもらえたら死なずに済む!
私の未来にかすかな希望が見えた。
「その巫女にどうやったら会えますか!?」
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