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前世の記憶が甦ってから七年が経ち、私は十二歳になった。
私が転生したのは小説『二番目の姫』の世界。
常に二番目にされてしまう運命にある第二王女ルナリア――それが私。
「ルナリア様。国王陛下がお呼びです」
「お父様が? なにかしら?」
シモン先生の授業の途中だったけれど、侍女が私を呼びにやって来た。
時計を見ると、ちょうどお茶の時間だった。
午後になると家族はお茶を飲みながら会話を楽しむ。
私の午後は、勉強の時間と決められていて、私は参加できない――というか、参加してほしくない。
お茶の時間に呼ばれる時は決まって、『第二王女』としての私が必要な時だけ。
「お客様がいらっしゃるので、家族全員で迎えたいとおっしゃってました」
――やっぱり。
悲しいのを通り越して、呆れてしまう。
本当は行きたくないけど、私はまだ十二歳。
私が行きたくないとゴネて、拒否しようものなら、迷惑するのはティアや侍女たちだ。
『セレステと違って第二王女は』なんて言われるのは目に見えてる。
渋々、本を閉じ、シモン先生に謝罪する。
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