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赤色の壁と椅子、天井には金の模様入り、照明はシャンデリアという豪奢な謁見の間。
――目がチカチカするくらい派手だわ。
小国であるオルテンシア王国。
それほど裕福ではないけど、見栄は張りたい。
そんな気持ちが全面に出た部屋である。
ここは、毎日訪れるお客様とお父様が顔を合わせ、会話するための部屋だ。
――見た目だけ、見栄を張っても仕方ないと思うんだけど……。
光の巫女が現れたら、お金がジャンジャン入ってくるらしい。
人々の信仰心が高まり、寄進する人が増えるからだ。
でも、ここ二百年は現れていないらしく、財政は厳しい。
国家財政を出るかどうかわからない光の巫女に頼るなんて、どうかと思うわ。
そんなわけで、緊縮財政中の王家はどうでもいい二番目の姫の予算を削って、家庭教師はシモン先生一人だけ。
着るものは全部、セレステのお下がりである。
「ルナリア! なにをしていたの!」
私の姿をみた途端、お母様の叱責の声が響いた。
「わざとモタモタしてたのでしょ!」
「いいえ。午後の勉強中でしたので、シモン先生に退席のご挨拶をしていました」
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