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「まあ、ルナリアったら。勉強ばかりしていたら、お友達ができないわ。今度、私のお茶会に出席してはどう?」
「あらあら。セレステ。お茶会にルナリアが出席したところで、あなたの引き立て役になるだけよ」
お母様は私を前にして平気でそんなことを言う。
セレステは人気で、早く社交界にデビューしてほしいと言われている。
いっぽう私の評判はというと、目立たない地味な二番目の王女と噂されていた。
公式の場では、お父様たちのオマケ扱いで、集まった人々は美しいセレステに目を奪われる。
ここまでは小説『二番目の姫』と同じ。
――でも、物語にはなかった好奇心旺盛で勉強熱心な第二王女という肩書きがプラスされてるわ。
それに、今まで目立たぬようひっそり生きていたのは、セレステに殺されかけた事件のせいだ。
物語どおり、二番目の王女として暮らしていれば、死ぬことはない(と思う)。
ただ、このままだと闇の力が暴走するのは止められない。
十六歳になるまでに、闇の力をどうにかしないと、私は死ぬ。
「ルナリア。なにをぼっーとしてるの? 早くお座りなさい。あの方は突然に来られるから、困ってしまうわ」
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