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「お母様。そんなことおっしゃらないで。お忙しい時間の合間を縫って、オルテンシア王国まで来てくださるのよ」
「うむ。セレステに会いに来ているのだろう。美しい娘を持ち、誇らしいことだ」
――あの方なんて、もったいぶらないでも、お父様のウキウキぶりを見たら、誰がきたかすぐにわかるわ。
私の前に、からのティーカップが置かれる。
けれど、お茶を注ぐ侍女は、まずセレステのカップにお茶を注ぐ。
――やっぱり二番目。
「ルナリア、そのドレス。とっても似合ってるわ」
セレステが私より先にお茶を口に含み、微笑んだ。
「私が一度袖を通して、気に入らなかったドレスだけど、ルナリアなら絶対に合うと思ったの」
自分のお下がりだと強調されてしまった。
でも、私は気にしてない。
「お姉さまのサイズは大きいので、来年も着れそうですわ」
「……私が太ってると言いたいの?」
「私より、ふくよかだと思います」
セレステはムッとしていたけど、私より豪勢な食事に加え、チョコレートやケーキを食べているから、太って当たり前だ。
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