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すぐにでも内容を聞きたかったけれど、お父様を差しおいて、レジェスと会話するわけにはいかなかった。
それなのに、お父様ときたら……
「幼い頃からセレステと親しい間柄。身内同然。ぜひ、我が国に滞在を!」
お父様の空気を読まずに、『セレステの結婚相手になってください』攻撃!
のんきすぎるよ~!
お父様の的外れな返事に加え、セレステまで斜め上なことを言い出した。
「レジェス様。私とのんびり過ごせないのですか?」
セレステが微笑み、レジェスを誘う。
同じ年頃の男の子たちなら、それだけでセレステを好きになってしまうだろうけど、レジェスは呆れた顔でお父様とセレステを見る。
――申し訳なさすぎる。
レジェスに向かって、遠くからお辞儀をした。
それに気づいたレジェスが苦笑する。
「セレステと遊んでやりたいが、今は遊んでいる余裕がない。土産を持ってきた。後から、部屋に届けさせよう」
子供扱いされたセレステは、顔を赤くし、ムッとしていたけど、レジェスは動じない。
そのうち婚約者になるレジェスとセレステだけど、今のところ七年前と変わりない関係が続いている。
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