11 騙された国王

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 レジェスがセレステの婚約者になるのは、セレステが光の巫女になってからだから、まだ早い。 「ルナリア。また身長が伸びたんじゃないか?」  レジェスは私のことも子供扱いしている。  十二歳だから、当たり前といえば当たり前。  でも、それが少し悔しい。 「先月に会った時から変化してません」 「そうかな?」  レジェスは座っていた私を軽々と抱き上げ、太陽みたいに笑った。 「重くなった気がするけどなぁ」 「レジェス様。私はもう子供じゃありません。おろしてください」  ――私は抱っこされる年齢じゃないんだから!    むうっとした顔をすると、レジェスは私に謝った。 「ああ、すまん。今、いくつだ?」 「十二歳です」  私を椅子に戻して、レジェスは悪い顔をする。  その顔は幼馴染みのレジェスではなく、大国の王子たる者の顔だ。 「勉強に励んでいるそうだな。俺が父上から領地をもらったのは、十二歳の時だ。今のルナリアと同じ年齢だ。オルテンシア王。ルナリアに領地を与えたらどうだ?」 「は……? ルナリアに領地を?」 「ルナリアは優秀だぞ」  ――私に領地を?
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