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レジェスがセレステの婚約者になるのは、セレステが光の巫女になってからだから、まだ早い。
「ルナリア。また身長が伸びたんじゃないか?」
レジェスは私のことも子供扱いしている。
十二歳だから、当たり前といえば当たり前。
でも、それが少し悔しい。
「先月に会った時から変化してません」
「そうかな?」
レジェスは座っていた私を軽々と抱き上げ、太陽みたいに笑った。
「重くなった気がするけどなぁ」
「レジェス様。私はもう子供じゃありません。おろしてください」
――私は抱っこされる年齢じゃないんだから!
むうっとした顔をすると、レジェスは私に謝った。
「ああ、すまん。今、いくつだ?」
「十二歳です」
私を椅子に戻して、レジェスは悪い顔をする。
その顔は幼馴染みのレジェスではなく、大国の王子たる者の顔だ。
「勉強に励んでいるそうだな。俺が父上から領地をもらったのは、十二歳の時だ。今のルナリアと同じ年齢だ。オルテンシア王。ルナリアに領地を与えたらどうだ?」
「は……? ルナリアに領地を?」
「ルナリアは優秀だぞ」
――私に領地を?
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