第八話 謎の女性

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第八話 謎の女性

 大城さんは思った以上に本当にできる人でなんでこんな人を主戦力に入れなかったのかと思うほどであった。 「病院は臨機応変に動かなきゃダメですし、学校で習った以上に勉強しなくてはいけないんです。勉強するのは好きなので」  今までしゃべったことなかったししゃべっているところはあまり見なかったから彼女の口から出る言葉数と速さにはほかの社員たちも目を点にしていた。  課長も 「いやぁ、毎日のようにシステムの事を勉強して持ち帰って次の日にはもうできているからすごいもんだわ。これは助かる。派遣じゃもったいないよ」 「いえいえ今回はこのチームに入れて頂きありがとうございます」  謙遜する彼女の胸ポケットにはあのドラマのキャラクターマスコットが揺れる。すると山田課長がそれに気づき 「ずっと気になっていたんだが大城さんもドラマ見てるの」 「はい……課長もご存じで?」  とこっから盛り上がってくる。 「あ、うちに高校生の娘がいましてね……好きなアイドルが主人公の弟の友達役で出ているからって毎回付き合わされていてな」 「あぁー、久留米役のD-AY2の守尾くんですね。ちょい役だけどすっごいキーマンなんですけど私もすごくいい演技されているなって」 「お、でーず? のモリモリって娘が言っててなぁ。どいつもこいつも同じ顔に見える」 「私もですけどねぇ」  と山田課長と大城さんの二人がこんなにも会話のラリー続くものかと驚く。そんなの夢のときにはなかった光景である。大城さんなんて彼氏もいないから男性と話をするのは社員とでも苦手そうにしていたのに。  いったいどういうことなんだろうか。  私はドラマを見ていない。やはり見るべきなのだろうか。同僚たちも見ている人が多いし。
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