第八話 謎の女性

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 でもドラマを見たところで何か変わるのだろうか。睡眠が大事。人気ドラマと言いながらも23時台。  深夜帯なのに異例のヒットというのは課長の娘さんみたいに役者目当ての視聴者を引き付けるのが上手いのであろう。  それから半月、大城さんが増えただけで少し楽になったけどもまだまだ……前よりも書類とか減った方だけどもやることは多い……ため息をついてふと立ち上がるともしかしてという感覚が。  数日前から兆候は感じていた。アプリを見ると生理予測日よりも少し前だ。来てしまったの?  でも大城さんの投入によって心身負担は少し余裕がある。私は席を外しトイレに向かった。今日生理が来てしまったらまたタイミング法も時期がずれるのだろう。  やはりしょせんアプリ。やはり病院に行かないとダメなのかな。もう一度謙太に伝えよう。それか私だけ病院に行くか……。  私だけの原因なら私が病院行くだけで私よりもさらに忙しい彼も病院に行く必要ないんだもん。 「あっ」 「ごめんなさい」  急いでいたのがいけなくて前から歩いてた女性に気づかずぶつかってしまった。すごくすらっとして目が吊り上がっててきれいな人。  私は目的のトイレに入ってやっぱり生理だと肩を落としオフィスに戻ると先程の女性が他の部署のところにいた。  彼女と話す隣の課の男性社員は鼻の下を伸ばしながらも彼女と何かを話しているようだった。この課には既婚者の女性しかいないからああいう可憐な若気のある女性はいないし、うかれちゃうよね。  
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