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出社すると山田課長が私を見つけるなりすたすたとやってくる。これも同じである。
「おはよう。サギモリの話は聞いているか」
「おはようございます。ええ聞いてます」
ここはショートカット。
「なら話が早い。なんか次期のデザインが駄々洩れしているらしいんだ。それで上層部の人達がさらにシステムのセキュリティを早急に上げろと」
ここからだわ。忙しくなるの。これも一緒。
わたしがここでリーダーにされてしまうのよね。少人数でなんとかしろって。
「んで、白沢さん……」
と山田課長が言おうとしてることはわかっている。
「な、なんだ?」
190㎝超えの山田課長を見上げ、強い口調で言う。
「わたしリーダーにしてこれから少人数で仕切ろう、という考えですよね?」
「なんか今日は話が早いなぁ。君しか頼れないんだヨォ」
おっと。話が長くなる前に。
「リーダーに選任していただいたことはありがたいのですが人員が少なすぎる。私が今から交渉してきます。大城さんは以前すぐ動けるかと思います」
まだこの時点では大城さんには聞いてはいないけど。
「そのぉー派遣の子は契約とかあるだろ」
「それは後でどうにかなるんで。私、集めてきます!」
「わかったよ、頼んだ」
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