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第二話 家族計画
しかし私達の考えは甘かった。
結婚して二年目の春になったが妊娠しない。生理が来るたびにため息が出る。
「……梨花ちゃん」
浮かない顔をしちゃダメだって思っててもすぐ顔に出てしまう私の顔を覗き込んで謙太はいつもの笑顔を浮かべた。
「生理きちゃった」
「そうか、体休めて。まずは」
「ありがとう」
そうよね、先ずは体をいたわらないと。お腹も痛い。生理痛。
ロボット掃除機に食洗器、乾燥機付きのランドリー。互いの仕事もあるから家事分担と言っても揉めることがあると義母が率先して買いそろえてくれた。
その時に
「仕事もだけどそこに育児も加わるとなおさら大変よ」
と付け足していうものだからやはり義母はやはり私達の子供を望んでいるのだろう。もう孫もいるけども謙太は義母にすごく可愛がられているし当然だろう。
おかげで仕事で疲れても家事の軽減はできている。
それに家事も謙太はある程度できるから自然と分担で来ていて不満も言わずにやってくれている彼には本当に感謝しかないのだ。
セックスに関しては私は無ければいいとは思っていたもののやはりこうも子供が出来ないとなると受け入れる回数を増やそう、と努力した。
謙太から誘われて数回に一回は断ってたけどここのところは全て応じた。
だがそのたびに心が軋む。別に謙太が嫌いなわけじゃない。でも気持ち的にはどこかしら嫌なのだ。この行為が。でも子供を、謙太との子供をと思うと……。
それに本でも読んだのだがタイミングと言うのもあって回数をむやみに増やしてもだめな場合もあるらしい。でも数打てば当たる、って勝手に思っていた私。あぁ、そんなのわかっていたら数を増やさなかったし。
何だか最近応えるようにしたからなのか謙太もちょっとすぐムラっと来ているのが分かってしまう。
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